【寄稿】ぱいん様より

自己紹介

名古屋で女装をして活動しているぱいんと申します。彼女がよく行っていることがきっかけでスターブロッサムさんが好きになり、時々大阪に遊びに行った時に立ち寄らせていただいています。

顧客という立場から、僭越ながら幾つかの寄書きをこちらに投稿させていただきます。

発達障害について

私は医師から発達障害の診断を受けた当事者ではありません。それでもこのテキストを書こうと思ったのは以下のように自分が他の人よりも「おかしい・劣っている」と思う箇所が多数あり、当事者の皆様の話を聞いていて決して他人事ではないと思うからです。

  • ミスや物忘れが多い
  • 関係のない話をすぐにはじめてしまい「お前よく話が飛ぶよね」とよく言われる
  • 注意力散漫で、大事なお話もそっちのけですぐに別の事を考えてしまう
  • 上記を直そうと思っても、かなりの苦手分野であり相当注意をしていないと繰り返してしまうため、信用を無くして孤立してしまいがちである事

現在は何とか自らのポジションを確保しています。ですが、そうなるまでにかなりの方々に迷惑をかけたし、乗り越えられなかった人・乗り越える為に現在奮闘している人は世の中に沢山いらっしゃいます。特性を抱えているが故に周囲から理解されず怒られたり呆れられ、見放されたり爪弾きにあったり・・・そんな様子を見ていると、よく「何とか力になれないかな」という気持ちにさせられます。

ところで、よく例え話に出すのですが社会生活で円滑にコミュニケーションをとれる人は「ピントを合わせる力」がキチンと備わっていると私は考えています。

ピントといえば、視力検査でも遠くの物や小さい物を見る時に以下の3タイプの人が居ます。

  1. 裸眼ではっきり見える人
  2. 視力を矯正すれば見える人
  3. 視力を矯正しても見えない、分からない人

私は2に相当します。メガネやコンタクトレンズなどで矯正してピントを合わせて視界を適切な解像度にしています。

今、視力に関して例え話を出しましたが次は社会生活に於いて円滑にコミュニケーションをとる為の方法について私なりの考えを僭越ながら書かせていただきますね。

自身の特性との向き合い

自身の特性≒自分の裸眼視力と考えたとき、度数の強すぎるメガネはかけた者の気分を悪くさせるし、弱すぎるメガネでは不十分です。

過不足なくピントを合わせられる「ちょうど良いライン」を捉えて折り合いをつけることが私の「自身の特性との向き合い方」の鍵となりました。

昔から、物忘れが多かった私はよく「メモを取れ!」と言われてきました。

しかし書きすぎると今度は「どこに書いてるのか」が分からなくなります。さらに間抜けなことに、メモがカバンにあってすぐに取り出せなかったり急いで書いたことでグチャグチャになって「この時何考えてコレ書いたんだっけ?」と過去の自分との心理戦が始まってしまい時間をロスしたり、私のやり方はかなり非効率的なものでした。

それもそのはず。

当時メモを書いていた理由は「書いているところを見せれば上司もとりあえずは納得するから」であり、知らず知らずのうちに人の怒りに反応して鎮めることが最優先になってしまい、肝心のメモの目的がおざなりになってしまっていたのです。悪い言い方をすれば「ポーズで仕事する」という人として恥ずかしい事をしていました。

これを克服するために、私は毎日起きたタイミングで3つのツールに5分間だけ目を通すことにしています。※虎の巻とタスク一覧は「SimpleNote」というスマホアプリを使用しています。

  1. 虎の巻
  2. タスク一覧
  3. Googleカレンダー

それぞれの使い方ですが…

虎の巻:

  • 人の好物や食べ物や嗜好・繰り返し発言してる内容について書く
  • 街を歩いていて「あっ」と思ったものは即チェックしてメモする
  • やろうと思ったことはタスク一覧へ引っ越し

タスク一覧:

  • その日にこなすタスクは最大でも3つまで。多すぎると把握することにストレスを感じてしまうし、それよりルーチンが大事なことのほうが多いから。
  • 家からどこかに出かける際は荷物の「積み込み明細リスト」としても使う
  • 期限切れのものは容赦なく消す(週一で点検)

Googleカレンダー:

  • 人の誕生日を発見し次第書き込む
  • 予定が発生したら忘れないうちに書く

これだけ情報が洪水のように溢れている時代だから、何が大事で大事じゃないか、すぐ決められないことって往々にしてあります。

そして人にはそれぞれ把握したり処理できる事に限界があります。2桁以上の暗算が瞬時にできる人がいれば電卓や筆算が必要になる人も居ます。各々備わっている限界値を超えない範囲内に収まるように、背伸びせず謙虚に管理していくことが一番大切じゃないでしょうか。

私が乱暴にメモを書きなぐっていた頃は限界を超えていたと思います。だから自分に対する見積もりを誤り、情報を上手に処理しきれず「優先順位ちゃんと付けてんのか!」とよく怒られました。やることの重要性と緊急性が上手に把握できなかった当時の私は、何度も何度もメモの見直しを行うことで情報を醸成していくことにしました。

何より

「めんどくさい」

「そんな時間ない、あったら苦労しないよ」

などと言わず、愚直にこの習慣を続けていくことが大事だなと思います。今は、相手が何をしてもらったら嬉しいのかを第一に考えながらメモ取りを続けています。

続けているうちに、いつの間にか

「記憶力いいですね!」

「すごい!なんで覚えてるの?話したっけ?!」

って周囲から驚かれるような自分が出来ていました。

本来は、計算と記憶は致命的にできない奴なのに。

この取り組みを進めたことで、どこまでもABC(当たり前のことを馬鹿にせずちゃんとやる)って大切なんだなと肌で実感しました。

もしも私の自身の特性との向き合い方が、今このテキストを目で追っている方の一助になれていれば幸いです。

職業柄、デザインや導線設計をしたりライティングをしたりUX設計(わかりやすいメニューや仕掛けを作ること)をよくやります。突き詰めると沼とか哲学だとか言われるくらいに奥が深い業種ですが、世にある様々なデザインについて「もっとこう…」という自分の声をいつも抱えています。

この声を発信することが夢であり、私はいつか自分の想いをのせたデザインに名前をつけて世に放ちたいと考えています。

もしそのデザインが完成し、皆様にお披露目できる機会があれば、その時はぜひ楽しんでいただければ嬉しいです。

発達障害メイド喫茶スターブロッサムに思う事

暖かみや手作り感があって応援したくなるお店です。

遊びにいくと飛び跳ねて喜んでくれたり「行った値打ちがあるなぁ」って気持ちにいつもさせてもらってます。

キャストさんが発達障害・性的マイノリティ当事者だということはもちろん、私がお店に連れていく友人も私自身も、どこかに生きづらさを抱えた人たちなので、そのメンツならではのお話ができたり、他のお客様も交えてトークができたりと深イイ話ができる場だったりします。

こういった事は普通の外食チェーン店だとまず出来ないことでしょうね。

またX上でも可愛らしい写真や料理の写真がたくさん上がっていてお店の見える化やライブ感の共有が他店よりも盛んだという印象を受けました。

何より、かやさんのお店や自分の人生を「こうしたい!」という想いも至る所で見られます。SNSを器用に使いこなしてるというよりは、自分の人生を正々堂々ド真ん中で生きている感じがします。

ホントは器用にやる人のバズるような面白いポストよりも、こういうのが実はいちばん人に響くんじゃないでしょうか。

ここまで読んでくださった皆様は、どう思いますか?